Stable Diffusion Web UIというツールを使って、いくつかの画像生成モデルを比較検証してみました。その結果を、この記事でお伝えします。
Stable Diffusion Web UIとは
「Stable Diffusion Web UI」とは、画像生成AIであるStable diffusionを、ブラウザをインターフェースとして利用するためのツールです。このツールはAUTOMATIC1111氏が開発・配布しており、無料で使うことができます。
このツールの特徴は、以下のような点です。
- Stable diffusionを使うために必要な環境構築を自動で行ってくれる
- ブラウザを介してGUIで簡単に設定変更や画像生成ができる
- 日本語化できる
- 更新頻度が高く、どんどん使い勝手が良くなる
- 拡張機能をインストールすることで便利な機能を追加できる
このツールを使うには、ローカル環境にインストールする方法とクラウド環境にインストールする方法がありますが、ローカル環境の場合は一定以上のPCスペックが必要となります。特にグラフィックボードの性能が重要で、VRAM(=ビデオメモリ)容量が10GB以上あることが推奨されます。
グラフィックボードの性能が足りない方は、この機会に是非グレードアップを検討してみてください。
◆ AI画像生成の入門モデルとしておすすめのグラフィックボード
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画像生成モデルとは
簡単に説明すると、画像生成モデルとは、コンピューターが絵を描くためのルールや手法のことです。コンピューターは、文字や絵のかけらを見て、それに似た絵を描くことができます。例えば、「猫」という文字を見せると、猫の絵を描いたり、「犬」という文字を見せると、犬の絵を描いたりします。また、「笑顔の女の子」という絵のかけらを見せると、笑顔の女の子の絵を描いたり、「怒っている男の子」という絵のかけらを見せると、怒っている男の子の絵を描いたりします。
画像生成モデルには、いろいろな種類があり、それぞれに違うルールがあります。例えば、
手法①:変分オートエンコーダー
「絵を小さなかけらに分けて、それぞれに数字や記号をつける」というものです。そして、「数字や記号から絵のかけらを作り出す」というものです。このルールでは、コンピューターは、数字や記号から絵を作るときに、少しずつ変化させていきます。例えば、「1」から「2」に変えるときに、「丸」から「三角」に変えたり、「赤」から「青」に変えたりします。このようにして、コンピューターは、色々な絵を作ることができます。
手法②:敵対性生成ネットワーク
「本物の絵と偽物の絵を見分けることができる人と、偽物の絵を描くことができる人が競争する」というものです。このルールでは、コンピューターは、偽物の絵を描く人として学習します。コンピューターは、本物の絵と偽物の絵を見分ける人に騙されないように、どんどん上手に偽物の絵を描くようになります。このようにして、コンピューターは、本物そっくりな絵を作ることができます。
手法③:拡散モデル
「元の絵に少しずつノイズ(ざわざわしたもの)を加えていき、最後にノイズだけにする」というものです。そして、「ノイズから少しずつ元の絵に近づけていく」というものです。このルールでは、コンピューターは、ノイズから元の絵を作るときに、どんなノイズがどんな絵になるかを学習します。このようにして、コンピューターは、ノイズから色々な絵を作ることができます。
いろいろなアプローチがあって面白いですね。
画像生成モデルの比較
それでは、いろいろな画像生成モデルを使って、生成された画像を比較してみます。
比較するにあたって、プロンプトなどを以下の設定に固定し、モデルのみ変更します。
また、今回設定するプロンプトでは生成画像のランダム性が強いので2枚ずつ生成して比較します。
項目 | 設定値 |
---|---|
ポジティブプロンプト | (masterpiece:1.2), (best quality:1.2), ultra-detailed, beautiful lighting, (1 beautiful girl:1.2), looking at viewer, shiny eyes, super detailed skin, beautiful detailed hair, standing picture, (casual clothes:1.1) |
ネガティブプロンプト | (bad_prompt_version2:0.8), (nsfw:1.3), EasyNegative, bad-artist, bad-hands-5, (worst quality:1.3), (low quality:1.3), extra fingers, fewer fingers, (exposed skin:1.1) |
サンプリング方法 | DPM++ SDE karras |
サンプリングステップ数 | 20 |
サイズ | 512 x 512 |
CFGスケール | 7 |
Clip skip | 2 |
それでは、上記の設定で画像生成モデル毎の結果を見ていきましょう。
イラスト系
画像生成モデル | 生成画像 |
---|---|
AbyssOrangeMix3(AOM3A1) | |
AbyssOrangeMix3(AOM3A2) | |
AniDosMix | |
Anything V3 | |
Anything V4.0 | |
Anything V4.5 | |
AOAOKO [PVC Style Model] | |
CinnamonMix | |
Meina | |
PastelMix [Stylized Anime Model] | |
WaifuDiffusion V1.4 |
リアルイラスト系
画像生成モデル | 生成画像 |
---|---|
AbyssOrangeMix3(AOM3A3) | |
CitrineDreamMix | |
DosMix | |
NeverEndingDream | |
OrangeChillMix | |
ReV Animated |
実写系
画像生成モデル | 生成画像 |
---|---|
BasilMix | |
ChilloutMix | |
DDosMix | |
Deliberate | |
RealDosMix | |
StableDiffusionV2.1 |
まとめ
各モデルの生成結果を比較してみましたが、いかがでしたでしょうか?
それぞれに特徴があって面白いですね。
また、今回は人の描画でしたが、風景やファンタジー要素などの描画ではまた違った特色が出ると思います。
画像生成モデルは機械学習の分野で注目されている技術で、さまざまな応用が期待されています。AI画像生成に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてAI画像生成にチャレンジしてみてください。
グラフィックボードの性能が足りない方は、この機会に是非グレードアップを検討してみてください。
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